• 映画『古都』公式サイト

    この運命に、生きるーー。生き別れになった双子の姉妹、新たな継承の物語は京都、パリへーー。

    文部科学省特別選定作品 第8回京都ヒストリカ国際映画祭特別招待作品

    11月26日(土)京都先行 12月3日(土)全国公開

  • 松雪泰子(一人二役)
  • 橋本 愛
  • 成海璃子
  • 蒼 れいな
  • 蒼 あんな
  • 葉山奨之
  • 栗塚 旭
  • 迫田孝也
  • 伊原剛志
  • 奥田瑛二
監督
Yuki Saito
原作
川端康成『古都』(新潮文庫刊)
エンディング曲
「糸」新山詩織(作詞・作曲:中島みゆき 編曲:笹路正徳)
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パソコンや携帯電話で、世界中の誰とでも一瞬でつながることができる現代にも、昔ながらの暮らしを守っている人たちがいる。2020年の東京オリンピック開催に向けて、“本物の日本の心とは何か”が世界から問われている今、日本の真の伝統を未来へと引き継ごうとする人々を描く物語が完成した。“日本の美と精神”を表現することに生涯をかけ、日本人として初めてノーベル文学賞を受賞した川端康成の傑作『古都』の新たな映画化だ。
 過去にも岩下志麻と山口百恵の主演で、1963年と1980年の2度にわたって映画化されているが、今回がこれまでと大きく異なるのは、原作の“その後”が描かれる“現代版”であること。
舞台は京都とパリ。時は生き別れになった双子の姉妹、千重子と苗子が最後に会って別れてから20数年後。それぞれに娘が生まれ、すっかり大人の女性になった二人は、新たな葛藤を抱えていた。千重子は代々続く呉服店を娘の舞に継がせるつもりだったが、舞から思わぬ抵抗を受ける。北山杉で林業を営む苗子は絵画を志す娘の結衣を快くパリに送り出したが、結衣が自分の才能に疑問を持ち始めていることに気付く。娘と同じ年の頃、千重子も苗子も人生の岐路に立ち、迷っていた。あの時の自分が下した決断に想いを馳せながら、二人は娘の未来のために何をしてやれるのかを問いかける─。

千重子と苗子を一人二役で演じるのは、今や日本を代表する演技派女優の地位を確立した松雪泰子。繊細で思慮深い千重子と、おおらかでチャーミングな苗子を完璧に演じ分けたのはもちろん、着付け、茶道、京言葉、京料理の稽古を重ねてこの役に臨んだ。
千重子の娘の舞には橋本愛、苗子の娘の結衣には成海璃子と、若手ながら凛としたその存在感で、既に本格派の女優として認められている二人の共演が実現した。その他、千重子の夫に伊原剛志、養父に奥田瑛二と、実力派が脇を固める。
小説『古都』のもう一人の重要な主役は“京都”である。文豪が遺した世界観に恥じない“ほんまもん”を追求するために、京都府と京都市の後援を得て、オールロケを敢行。茶道のシーンでは、裏千家今日庵からの全面的な協力で、国宝級の茶道具が用意された。また、華道のシーンでは池坊専好次期家元、座禅のシーンでは妙心寺退蔵院の松山大耕副住職が自ら出演している。さらに、千重子の呉服店は、実際に室町で呉服店を営む町家(国登録有形文化財)を借りて撮影、松雪と橋本が着用する着物には総額2000万超に上る、こだわり抜かれた逸品がそろえられた。
現代版として、日本の文化が海外へと発信される様子を描くため、もう一つの古都パリでもオールロケを実現。美しい街並みだけでなく、パリに暮らす人々のリアルな姿も捉えた監督は、ハリウッドで映画製作を8年間学び、帰国後もアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督などの現場に参加したYuki Saito。一度外へ出た国際的かつ新たな視点で京都に真正面から向き合い、日本の精神を五感で体感できるかつてない映像を完成させた。試写会で観たフランス前総領事からは、「どの場面を切り取っても絵になる素晴らしい映像なので、ぜひパリ祭で上映したい」と絶賛され7月のパリ祭での上映が実現した。
エンディング曲は、中島みゆき作詞作曲の「糸」。歌うのは期待の新鋭、シンガーソングライターの新山詩織。のびやかさに胸に刺さる強さも秘めた20歳の声が、ストーリーと響き合い、余韻を深める歌詞を歌い上げる。
日本の伝統に生きることを選んだ二人の母親が、娘へと引き継ぐ大切なものとは何かに気付いていく姿を情感豊かに描く感動作

 今朝もいつものように店の前に水をまき、夫の竜助(伊原剛志)に丁寧にお茶を淹れ、仏壇に手を合わせる佐田千重子(松雪泰子)。京都室町に先祖代々続く佐田呉服店を継いで20年、同じ暮らしを守り続けてきた。しかし、周囲は変わりつつあった。西陣を歩いても機の音が聞こえなくなり、古くからの付き合いの職人たちが次々と廃業していく。
 千重子の一人娘で大学生の舞(橋本愛)は、一流商社の二次面接を控えていた。就活がうまくいかない友人たちから「最後は家を継ぐんやろ?」と聞かれて、言葉を濁す舞。本当は何をしたいのか、見つけられないでいるのだ。
 千重子には、生き別れになった双子の妹がいた。彼女の名は中田苗子(松雪泰子/二役)、京都のはずれの北山杉の里で夫と林業を営んでいる。一人娘の結衣(成海璃子)は、絵画を勉強するためパリに留学していたが、やはり本当は何を描きたいのかを見失い、悩める日々を送っていた。
 竜助と千重子は、舞に広い世界で社会を学ばせた後、店を継いでもらおうと考えていた。そのため、町家を売ってマンションにしないかという不動産会社の誘いも断ってきた。だが、経営は思わしくなく、外国人観光客相手の町家ツアーを企画したり、竜助の実家で今は多角経営を進める大問屋を手伝ったりしている。
 舞と養母の墓に参り、ふと舞と同じ年の頃の自分を思い出す千重子。実の子供ではない自分を温かく育ててくれた両親が喜ぶことだけを望み、店を継ぐのは当然のことと思っていたが、それだけではない。「この町で育ったいうことは、宿命みたいなもんがある気がしてな」と語る母に、舞は顔を曇らせる。
 迷う気持ちを抱えたまま面接を受けた舞は、「この会社で成し遂げたいことはありますか」と聞かれて何も答えられない。それを知った千重子は、昔からの付き合いの商社の重役に贈り物を届け、竜助の父の水木(栗塚旭)に口をきいてもらうよう頼み込む。
 内定通知を見て母の根回しに気付き、勝手に辞退する舞。「お母さんが気にしてるのは、この佐田の家の顔やろ」と千重子に言い捨て飛び出した舞は、祖父(奥田瑛二)の家へと駆けこむ。祖父は一言、「無理に継がんでもええんちゃうか」と微笑んでくれる。その頃、千重子は思うように生きればいいと言ってくれた養母の優しさに想いを馳せていた。
舞が書道の先生からパリで開く個展への同行を頼まれたと知った竜助は、外に出なければわからないものがあるとからと舞の背中を押す。竜助も若い頃、大問屋を継ぐのがいやでアメリカに留学したのだった。
それから数日後の夜、パリと京都で母から娘に北山杉の模様が織り込まれた帯が渡される。パリでは、心配した苗子が結衣のもとを訪れ、帯にまつわる千重子との思い出を語っていた。一方、京都では千重子が、パリで日本舞踊を披露する舞に大切な帯を託す。
もう一つの古都パリに到着する舞。母から日本の心を受け継いだ娘たちの人生が今、交差しようとしていた─。

 数々の地域開発映画を手掛けてきたプロデューサーの伊藤主悦は、映画製作を通して日本各地の町興しをすることで、“人を興したい”と考えていた。これまでは、地方の町を日本全国に発信してきたが、折しも2020年にオリンピックを控える今、今度は世界へと発進したいと企画を練っていた。海外へ向けるならやはり京都だろうと思っていたところに、NPO法人「遊悠舎京すずめ」の土居好江理事長から川端康成の『古都』を映画化したいがどうすればいいかという相談を持ちかけられる。
京都の魅力を発掘・発信するために京すずめを設立した土居理事長は、かねてより親交のある川端康成記念會理事長の川端香男里氏から、「美しい京都の自然を遺し守り、後世にいかに引き継ぐのか」が、川端康成が生涯かけて抱いていた想いだと聞いていた。さらに、川端氏の「京すずめの京都が京都らしくあり続ける運動は、日本の開発の危機に対する極めて敏感な反応だと思います」との言葉を深く受け止め、京都の文化発信について書道家の小林芙蓉と意見交換を続けてきた。
こうして2013年9月26日、意思を同じくする者たちが出会い、プロジェクトが始動した。

もっと深く京都を知るために、2014年11月からほぼ半年間、京都に暮らした伊藤プロデューサーは、街ですれ違った人や入った店の人などに積極的に話しかけて、数多くの“生の声”を集めた。それは、“家業を継がない”“町家を売った”など、伝統が壊れ始めている現状を伝えていた。危機感を覚えた伊藤プロデューサーは、京都の今を描く必要性を痛感し、過去に映画化された2作品とは異なる“現代版”を企画する。監督は若い世代に託すことになり、伊藤プロデューサーの提案で、ハリウッドで映画作りを8年間学んだYuki Saitoにオファーする。
ハリウッド映画に憧れて高校卒業後に渡米したSaito監督は、「24」のプロデューサー、ノーマン・パウエルに師事するが、ある時日本の名作をほとんど見ていないことを叱責される。日本の文化を表現するために今すぐ帰国しろと諭され、師の教えに従って10年、様々な作品に携わってきた。そして伊藤から『古都』の監督に抜擢され、日本文化に真正面から向き合えるチャンスが遂に来たと興奮したという。
伊藤プロデューサーと共に川端香男里氏を訪ねたSaito監督が、氏に「小説の精神を大切にしつつ、海外経験のある自分の感性で今の京都を描きたい」と語ったところ、「想いを継承するような作品にしてください」というのが氏からの唯一の要望だった。「あとは自由に感じたままにやってください」と言われて、身が引き締まったと監督は語る。

共同プロデューサーの岡本丈嗣から、主人公の千重子と同じ京都の室町の呉服問屋を経営していた親戚がいると聞いた伊藤プロデューサーは、彼の紹介で話を聞きに行く。それが、本作の京都プロデューサーを務める熊谷昌美、優希親子だ。熊谷家の町家を訪れた伊藤は「千重子さんと舞ちゃんがいた」と、企画書を読んだ熊谷は「まるで、うちのことが書いてあるみたい」と双方で驚き、その場で協力が決定する。
まもなくSaito監督も熊谷親子と対面し、それから約2年の間、町家での暮らしを“実体験”するために、伊藤プロデューサーと共に幾度となく訪れる。たとえば、熊谷は毎日お墓参りに行くのだが、ある時監督が同行し、つぶさに見聞きした様をその日のうちに脚本に落とし込み、千重子と舞の墓参りのシーンが生まれた。
さらに伊藤と監督は、川端康成の京都での足跡を追いかけた。資料で川端が好んだ宿や飲食店、頻繁に訪れた寺などを調べ、季節ごとに足を運んだ。京都へ行くたびに、共同脚本の眞武泰徳、梶本恵美と共に、脚本を大幅に変えるという作業が続き、脚本は50稿以上に及ぶ。ようやく完成した脚本を川端香男里氏に送ると、氏からは「ここには生きる希望がある」という言葉が届く。

舞台は現代だが、最初の20稿目ぐらいまでは、原作と同じく千重子と苗子は20歳という設定だった。書き進めていくうちに、Saito監督は彼女たちを主軸にすると、伝統の継承が描けないことに気付く。しかし、主人公を母にすれば、彼女が20歳だった頃の昔のことも、母親になった現在も、そして20歳になった娘にどう受け継いでいくかという、川端香男里氏との約束も全部描けると思いつく。
実は監督には、どうしても仕事をしたい女優がいた。アメリカから帰ってきて、逆カルチャーショックに打ちひしがれていた時に励まされた映画『フラガール』の主演、松雪泰子だ。千重子と苗子を母親として想定していくうちに、松雪の顔が浮かび、監督は松雪宛に、あなたと映画を撮ることが目標だと打ち明けた“ラブレター”を書く。手紙に心を動かされた松雪は主演を即決する。
 千重子の娘の舞、苗子の娘の結衣役にも、監督のたっての願いが叶う。舞には和の美を象徴する佇まいで神秘性があり、町家で暮らす様がはまりそうな橋本愛。イマドキの女の子のような浮ついた感じは全くないが、現代の女の子特有の揺らぎはある。やりたいことがなくて途方に暮れているが、瞳の奥にはやがて目覚める意志が宿っている。そんな舞のイメージは、橋本愛そのものだ。
 一方、結衣は意志をむき出しに、感覚と感性で生きている。同じ京都でも舞と違って、緑に360度囲まれた山ですくすくと育ち、絵を描きたいとパリへと飛ぶ行動力もある。ストレートな目力があって、もちろん演技派でと考えた時に、成海璃子しかいないと確信した。
「3人全員がイメージ通りで、こんな幸せなことってあるんだろうかという気持ちでした」とSaito監督は振り返る。

脚本作りから積極的に関わった松雪泰子は、役作りに関しても明確なヴィジョンを持っていた。幼い頃から日舞を習い、着物に対する造詣も深い。Saito監督は、母親の気持ちも含め教えられることばかりで、「千重子、苗子の本人と打ち合わせをしてるみたいでした」と笑う。さらに、二役に関しても、演じ分けは完璧だった。千重子から苗子に変わった時は、現場に入った瞬間から明らかに違っていたという。 監督から橋本愛には、千重子との距離感を大事にしてほしいと話した。心と心でつながってはいるが、千重子が纏っている宿命が母娘の壁になっているはずだと考えたのだ。今の20代から見て非常に感情移入しやすいキャラクターだということも留意してほしいと語った。
結衣のエピソードは、Saito監督のアメリカでの実体験をもとに描かれている。夢を抱いて海を渡ったけれど、現実は甘くなかったという過去を成海璃子に説明した。また、パリのシーンは『魔女の宅急便』をモチーフにしている。キキが自分を見失って飛べなくなるように、結衣は絵が描けなくなる。既に観ていた成海に、撮影前にもう一度観てもらった。

本作にとって、京都オールロケは必須だった。京都府、京都市のバックアップのもと、土居プロデューサー、熊谷プロデューサーを中心に、京都の様々な関係者の協力で実現した。その結果、妙心寺退蔵院、初めて映画カメラが入った鴨川の水源地である岩屋山志明院、北山杉の生産地域にある菩提の滝、皇室とつながりのある青連院門跡など、貴重な場所での撮影が実現した。
さらに、千利休時代から茶室に使用されていた、日本最古の人工林である北山杉は、中源株式會社が所有する林で撮影された。平安神宮を入れたのにも意味がある。明治時代にできた新しい神宮だが、町衆がお金を出して作った神社だ。京都は雅の街と言われるが、町衆や職人が最高の技術を磨いて天皇に献上することによって、栄えてきたが、雅の極みをつくりだした心意義を示す場所として紹介したかったのだ。また鴨川では、通常は難しいドローン撮影が敢行された。
Saito監督は、京都撮影時は「凛とした空気が現場中に漂っていて、氏神様に見守られているようでした。千年の文化を匂い立たせるようなロケ地が選べたと思います」と胸を張る。

千重子の暮らす町家の、寝室、座敷、庭、舞の部屋、仏間、縁側などの生活部分は、すべて熊谷プロデューサーの大正末期に建てられた町家(国登録有形文化財)で撮影された。100年近く前、熊谷プロデューサーの祖父が建て、代々継承して住んできた家である。柱や床などあちこちに傷もあるが、Saito監督は「家にストーリーがある」からと、何も手を加えないで撮影した。熊谷家のリアルな暮らしぶりがいくつも反映されている。不動産会社が地上げに来たシーンは、監督が訪問中に本当にあった話。熊谷家の仏壇もそのまま使われ、母の遺影も写真だけ差し替えられた。
店部分と台所(おくどさん)、そして外観は、『古都』前2作のモデルとなった長江家住宅で撮影された。1822年から呉服商を営み、2005年に京都市指定有形文化財に認定された貴重な町家である。
熊谷プロデューサーの縁で、禅のシーンは妙心寺退蔵院で撮影、副住職松山大耕が自ら出演した。また、錦市場も組合の宇津理事長が知り合いのため、早朝の開店前に開けてもらった。店主たちも実際の人たちである。
舞の大学のシーンは、同志社大学で撮影された。エキストラもすべて同志社大学と同志社女子大学の学生たちで、村田晃嗣教授による授業シーンが収められた。書道教室の先生として、小林芙蓉も出演している。

 アートを駆使して北山杉を守ろうとしている結衣の留学先として、京都の姉妹都市であり、文化芸術の街という共通点もあるパリが選ばれた。
初めてパリにロケハンに行ったSaito監督は名所に惹かれたが、2回目に行った時に芸大生たちを取材した。彼らからこれからのカルチャーの中心は20区だと熱弁され、日本映画では撮影したことのない移民街を舞台に選ぶ。
パリでのロケ撮影は2015年12月にスタートする予定だったが、11月にテロが勃発する。撮影は中止となり、フィレンツェやプラハなど他の古都への変更も検討されるが、Saito監督はどうしてもパリで撮りたいと粘る。「人々のプライドが高く、セーヌ川と鴨川が流れ、伝統が息づいていて。パリと京都は双子だと僕の中で成立していたんです」。
3月には情勢も落ち着き、撮影は無事にスタートした。日本の撮影隊に驚いたフランスの国営テレビが、現場に取材に来たりもした。観光旅行ではまず見ることのできない、リアルなパリの一面がスクリーンに切り取られている。

 裏千家今日庵と池坊華道会支援は、熊谷プロデューサーとの縁で決まった。茶道のシーンでは茶道指導はもとより、お道具は裏千家のお家元から借りている。池坊専好次期家元は自ら出演、花を生けた。仏壇の横の小さな床の間の花など、お茶のシーン以外は、すべて池坊華道会のものである。
また、京都人にとって神社仏閣は心の寄りどころであり、自分に迷いが生じた時、退蔵院へ行き座禅を組むと迷いが吹っ切れるという熊谷プロデューサーの実体験をもとに、舞が退蔵院で座禅を組んだことで一歩を踏み出すきっかけとなる重要なシーンが作り上げられた。
衣装と美術は、京都の人々が昔から愛用している品々が集められた。なかでも着物は、京都織物卸商業組合、西陣織工業組合の全面協力を得て、熊谷プロデューサー、和文化プロデューサーの森荷葉、服部和子きもの学院の服部有樹子らの尽力で、最高の品々が揃えられた。
物語の重要なカギを握る、東山魁夷の画にインスパイアされた北山杉の帯は、熊谷プロデューサーと伊藤プロデューサーが帯問屋を6カ月かけて回って見つからなかったのが、京都の帯問屋・長谷川で偶然出会って感激した帯だ。

 脚本の眞武からSaito監督に、中島みゆきの「糸」の歌詞が、本作の物語を表していて、川端康成の精神性ともつながっているから、是非主題歌として使用したいという提案があった。監督も改めて聞き直して驚いたという。
監督は継承の物語を表現するため、舞と結衣が歌っているイメージで、20歳くらいのシンガーに歌ってもらいたいと考えた。そうして探し当てたのが、監督が切ないけれど芯のある声に一目ぼれしたという新山詩織だ。アカペラでスタートしたのは、ラストシーンの教会につながる讃美歌をイメージしている。
締めくくりを「糸」にすると決めたことから、オープニングも帯を織る糸で始めた。続いて格子や瓦など京都のディテールを出しているのは、過去作へのオマージュだ。同じイメージから始めて、カメラが引いたところで、50年後の現代の京都が映る。
完成した映画を観た川端香男里氏からは、「ラストシーンは川端文学を象徴している」という、これ以上ない言葉が届いた。

1972年、佐賀県生まれ。映画、TV、舞台、CMと幅広く活躍。2006年、『フラガール』(李相日監督)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。2008年には、『デトロイト・メタル・シティ』(李闘士男監督)、『容疑者Xの献身』(西谷弘監督)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞、日本を代表する演技派女優として高く評価される。その他の主な出演作は、『白鳥麗子でございます!』(95/小椋久雄監督)、『アナザヘブン』(00/飯田譲治監督)、「救命病棟24時」(01/CX)、「怪談百物語」(02/CX)、「砂の器」(04/TBS)、『余命』(09/生野慈朗監督)、『沈まぬ太陽』(09/若松節朗監督)、「Mother」(10/NTV)、大河ドラマ「平清盛」(12/NHK)、『この空の花 長岡花火物語』(12/大林宣彦監督)、「顔」(13/CX)、『脳男』(13/瀧本智行監督)、『謝罪の王様』(13/水田伸生監督)、「家族狩り」(14/TBS)、『at Home アットホーム』(15/蝶野博監督)、「5人のジュンコ」(15/WOWOW)、「グッドパートナー 無敵の弁護士」(16/EX)など。舞台では、「シダの群れ」(12)、「背信」(14)、「五右衛門VS轟天」(15)などに出演。2016年10月には「るつぼ」に出演する。公開待機作に、世界的大ヒットコミックの映画化『鋼の錬金術師』(17/曽利文彦監督)がある。
1996年、熊本県生まれ。2009年に『Give and Go -ギブアンドゴー-』(森秀人監督)で映画デビュー。翌年、『告白』(10/中島哲也監督)で注目される。『桐島、部活やめるってよ』(12/吉田大八監督)、『HOME 愛しの座敷童』(12/和泉聖治監督)、『アナザー Another』(12/古澤健監督)への出演で、2013年に日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。同年にキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、横浜映画祭最優秀新人賞にも輝く。さらに、連続テレビ小説「あまちゃん」(13/NHK)で国民的な人気を博す。その他の主な出演作は、『寄生獣』(14/山崎貴監督)、『リトル・フォレスト夏・秋』『~冬・春』(14・15/森淳一監督)、『ワンダフルワールドエンド』(15/松居大悟監督)、『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』(16/中村義洋監督)など。公開待機作に、『バースデーカード』(16/吉田康弘監督)、『美しい星』(17/吉田大八監督)などがある。2016年9月より舞台「夢と希望の光」に出演。
1992年、神奈川県生まれ。2000年に「TRICK」(EX)でデビュー、2005年には「瑠璃の島」(NTV)で初主演。映画初主演を飾った『神童』(07/萩生田宏治監督)、『あしたの私のつくりかた』(07/市川準監督)で高く評価され、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を獲得する。その他の主な出演作は、『罪とか罰とか』(09/ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督)、『武士道シックスティーン』(10/古厩智之監督)、『書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-』(10/猪股隆一監督)、『少女たちの羅針盤』(11/長崎俊一監督)、『地獄でなぜ悪い』(13/園子温監督)、『武士の献立』(13/朝原雄三監督)、『ニシノユキヒコの恋と冒険』(14/井口奈己監督)、『極道大戦争』(15/三池崇史監督)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(15/瀬々敬久監督)、『無伴奏』(16/矢崎仁司監督監督)など。舞台では「鉈切り丸」(13)、「ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~」(16)に出演。
1987年、東京都生まれ。双子の妹。多数のCM、バラエティ番組に出演し、美しく聡明な双子の姉妹として注目を集める。「かりゆし先生ちばる!」(09/TX)、「ヤンキー君とメガネちゃん」(10/TBS)、『クロサワ映画』(10/渡辺琢監督)、『パラダイス・キス』(11/新城毅彦監督)、「世にも奇妙な物語 21世紀21年目の特別編」(11/CX)、『GANTZ』(11/佐藤信介監督)、『ここにいる…』(12/七字幸久監督)、『スープ~生まれ変わりの物語~』(12/大塚祐吉監督)、『ポーラーサークル ~未知なる漫画家オムニバス』(13/羽生生純監督)などに出演。
1987年、東京都生まれ。双子の姉。多数のCM、バラエティ番組に出演し、美しく聡明な双子の姉妹として注目を集める。「かりゆし先生ちばる!」(09/TX)、「ヤンキー君とメガネちゃん」(10/TBS)、『クロサワ映画』(10/渡辺琢監督)、『パラダイス・キス』(11/新城毅彦監督)、「世にも奇妙な物語 21世紀21年目の特別編」(11/CX)、『GANTZ』(11/佐藤信介監督)、『牙狼〈GARO〉 ~蒼哭ノ魔竜〜』(12/雨宮慶太監督)、『ここにいる…』(12/七字幸久監督)、『スープ~生まれ変わりの物語~』(12/大塚祐吉監督)、『ポーラーサークル ~未知なる漫画家オムニバス』(13/羽生生純監督)などに出演。
1995年、大阪府生まれ。2011年、「鈴木先生」(TX)でデビュー。大河ドラマ「八重の桜」(13/NHK)の徳川家茂役で注目され、連続テレビ小説「まれ」(15/NHK)のヒロインの弟役で人気を獲得する。その後も、「サマー・ストーカーズ・ブルース」(15/CX)、「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」(15/TX)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16/CX)、「死幣-DEATH CASH-」(16/TBS)、映画では『渇き。』(14/中島哲也監督)、『青空エール』(16/三木孝浩監督)などに出演。公開待機作に、『アズミ・ハルコは行方不明』(16/松居大悟監督)、『きょうのキラ君』(17/ 川村泰祐監督)がある。
1937年、北海道生まれ。舞台でキャリアをスタートし、「新選組血風録」(65/NET・現EX)で人気を得る。以来、時代劇では欠かせない存在となる。主な出演作は、『土方歳三 燃えよ剣』(66/市村泰一監督)、『女の一生』(67/野村芳太郎監督)、「吉宗評判記 暴れん坊将軍」(78~82/EX)、大河ドラマ「新選組!」(04/NHK)、『二人日和』(05/野村惠一監督)、『小津の秋』(07/野村惠一監督)、『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』(13/田崎竜太監督)、『蠢動-しゅんどう-』(13/三上康雄監督)、『太秦ライムライト』(14/落合賢監督)、「影武者 徳川家康」(14/TX)、BSフジの「三屋清左衛門残日録」(16)など。
1977年、鹿児島県生まれ。舞台、TVドラマで活躍し、2006年に『ザ・マジックアワー』のオーディションで三谷幸喜監督と出会い、舞台三谷版「桜の園」(12)、『清須会議』(13)、舞台「酒と涙とジキルとハイド」(14)、大河ドラマ「真田丸」(16/NHK)などの三谷作品に出演。その他の出演作は、『お父さんのバックドロップ』(04/李闘士男監督)、「妖怪人間ベム」(11/NTV)、『エイトレンジャー』(12/堤幸彦監督)、『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(12/本広克行監督)、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(16/TBS)、「火の粉」(16/CX)など。
1963年、大阪府生まれ。ブラジル映画『汚れた心』(12/ヴィセンテ・アモリン監督)でプンタデルエステ国際映画祭主演男優賞を受賞する。主な出演作は、『硫黄島からの手紙』(06/クリント・イーストウッド監督)、『築地魚河岸三代目』(08/松原信吾監督)、「チーム・バチスタの栄光」(08/CX)、『なくもんか』(09/水田伸生監督)、『十三人の刺客』(10/三池崇史監督)、『愛と誠』(12/三池崇史監督)、『BRAVE HEARTS 海猿』(12/羽住英一郎監督)、連続テレビ小説「花子とアン」(14/NHK)、『超高速!参勤交代』(14/本木克英監督)、『ラストナイツ』(15/紀里谷和明監督)、『超高速!参勤交代 リターンズ』(16/本木克英監督)、「ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~」(16/TX)など。
1950年、愛知県生まれ。1979年、『もっとしなやかに もっとしたたかに』(藤田敏八監督)の主演で注目を浴びる。『海と毒薬』(86/熊井啓監督)で毎日映画コンクール男優賞、『千利休 本覺坊遺文』(89/熊井啓監督)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、『棒の哀しみ』(94/神代辰巳監督)でキネマ旬報、ブルーリボン賞など9つの主演男優賞を受賞、日本映画界を支えてきた名優。近年の作品には、『るろうに剣心』(12/大友啓史監督)、大河ドラマ「花燃ゆ」(15/NHK)、『64-ロクヨン-前編/後編』(16/瀬々敏久監督)、「99.9-刑事専門弁護士-」(16/TBS)などがある。

1979年、千葉県生まれ。高校卒業後に渡米し、ハリウッドで8年間映画制作を学ぶ。2006年に帰国後は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』他、名匠の撮影現場に参加。2015年、短編映画『ゴッサム ジャンブル パフェ』でショートショートフィルムフェスティバル&アジア史上初となる4度目の「観客賞」を受賞後、世界各国20以上の映画祭で上映。また、農林水産省とコラボし日本食文化をテーマに制作された短編映画『しゃぶしゃぶスピリット』は、世界各国40以上の映画祭で上映され、アメリカの The Indie FEST Film Awardsにて優秀賞を受賞するなど活躍を世界に広げている。2012年に被災地のペット達の救援活動をドキュメントしたCM「インスタントペットハウス」がカンヌ国際広告祭「Direct 部門」でシルバーとブロンズ、「Design 部門」でブロンズを受賞。2013年サンシャイン水族館「ペンギンナビ」がカンヌ国際広告祭「Mobile部門」でシルバーとブロンズを受賞、2014年に「Design 部門」でゴールドを受賞した。ドラマでは「ロボサン」(14/TX0)で第68回日本映画テレビ技術協会 VFX 部門映像技術賞を受賞。2016年4月クールに放送された「昼のセント酒」(TX)が話題を呼ぶ。
1991年生まれ、東京出身。中学校時代に自身で制作した映像作品をきっかけに独学で作曲を始める。映画『サブイボマスク』(16/門馬直人監督)、『7s[セブンス]』(15/藤井道人監督)やAmerican Express、資生堂、Valentinoの広告などに楽曲を提供。繊細でドラマチックな作風を得意とする。
1973年、岡山県生まれ。American Film Instituteにて撮影を学び現在日本にて撮影監督として活動中。『Mr.ホームズ名探偵最後の事件』(16/ビル・コンドン監督)、『バイオハザード IV アフターライフ』(10/ポール・W・S・アンダーソン監督)『ナイト・トーキョー・デイ』(09/イザベル・コイシェ監督)『エンター・ザ・ボイド』(10/ギャスパー・ノエ監督)等海外の作品を向い入れるスタンスを保ちつつ『スープ〜生まれ変わりの物語〜』(12/大塚祐吉監督)や本作など日本映画作品にも進出中。
第34回日本アカデミー賞優秀編集賞『必死剣 鳥刺し』(10/平山秀幸監督)、日本映像技術奨励賞『太平洋の軌跡-フォックスと呼ばれた男』(11/平山秀幸監督)、2014年公開『百円の恋』(武正晴監督)は2016年度米アカデミー賞外国語映画部門日本代表に選出された。 他作品に『しゃべれども しゃべれども』(07/ 平山秀幸監督)、『グーグーだって猫である』(08/犬童一心監督)、『僕たちは世界を変えることができない。』(11/深作健太監督)、『悼む人』(15/堤幸彦監督)、『この国の空』(15/荒井晴彦監督)など。
1996年2月10日生まれ、埼玉県出身。2012年6月、「Treasure Hunt 2012」でグランプリ獲得。同年12月12日、アーティストデビューをした。2016年4月期から始まったフジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」では宍戸春乃役として出演。また同ドラマの劇中歌となった「恋の中」がレコチョクのウィークリーランキングにランクインするなど、今注目のアーティストの一人である。